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孤高の帽子職人・井上滉氏(ハンチング製作)
 

世界に唯一のシルク生地の誕生!(2)

「こんな小さなドクロは出せないなぁ。」

「ええっ!出来るっておっしゃっていたじゃないですか!」

数十年の経験を持つシルク染色の職人さんからのショッキングな言葉が、
突然突きつけられました。

そんなところからこのデザインをシルク生地に落とす作業は始まりました。


それは実際にこのデザインを染める段階に来てはじめてわかってきたことでした。

半年の時間がかかり、ようやくデザインの方向性がきまり、ドクロの大きさやレイアウト、
色が決まり、さて、いよいよ生地の試作に入ろうとする矢先の衝撃的な出来事でした。

ドクロが小さすぎて、シルク捺染では額のひびの部分や歯の隙間部分がつぶれてしまい、
出せないのだ、ということなのです。

つまり、ドクロには見えなくなってしまうという致命的なことです。

デザインを見ていただいたときには出来るっていうことだったのに!

本当に職人さん泣かせのドクロなのでした。


 
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松本零士
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